現代はネットを使えば海外の音楽、ゲーム、映画の情報などはカンタンに手に入ります。しかし、日本の若いデザイナーの人たちは海外のデザイン事情をチェックしない傾向にあると思えます。アジア地域においては日本のデザインが抜きん出て一番だと信じている人も多いのではないでしょうか。そんな人たちはアジアのデザイン事情を知ると驚くと思います.今回は、台湾のデザイン事情の一端をご紹介しようと思います。デザインの作り手ばかりでなく、クリエイティブ業界に関わる人に幅広く参考になると思いますので、ぜひご覧ください.

  

会場は高雄の高雄港沿いの開発地域にある高雄展覧館。日本のビッグサイトのような会場です。
この建物の外観、内観を見ても建築デザインのレベルの高さがうかがえます。

  

搬入から設置まで大掛かりに行われています。ブースの制作も専門の業者を利用する学校もあるようですし、学生たちの工夫と手作りで行う学校もあります。
展示はあくまで最終形で、審査は事前の書類での応募時点から始まっています。

  

開会式、オープニングパーテイには政府関係者、有名企業やプロダクションの代表、人気クリエイターも参加して大盛況。パーテイで生バンドの演奏がありましたが、「君の名は。」の前前前世や、「逃げ恥」の恋ダンスを取り上げるなど日本文化への傾倒も感じられました。

日本の神宮外苑で行われていた東京デザインウィークの卒業制作版と言った印象です。
日本にもデザイン系の卒業制作公募展はありますが、このように大掛かりでショーアップされたものは全くないので、デザイン教育関係にも携わっている筆者としては羨ましい限りです。

  

海外からの招待ゲストも多く参加しています。

上から、今年のビジュアルイメージを製作した韓国アーティストのSakiroo Choi氏、ポップでアイロニカルな作風で知られる彼は昨年も作品展示とセミナーで参加していました。
http://sakiroo.com/

ロシアからの参加のAlexey Andreyev氏はiPhoneを使ったAR作品を持って参加。
彼自身はリアルな絵画部分を担当してARの技術や仕組みのアイディアは、それぞれインターネットで知り合ったヨーロッパの人間と組んでいるとのこと。
http://alexandreev.com/

日本からもフォントデザイナーの片岡朗氏がトークショーで参加。
彼は2000年に丸明フォントで日本のデザイン界に衝撃を与えましたが、今回の訪問で台湾でもグラフィックデザイナーへの知名度が高く好評でした。
http://www.moji-sekkei.jp/font.html

  

日本と同じようにゲームはたいへん人気があります。放視大賞には企業が新しい才能を発掘しようと言う意図もあるので、ゲームメーカーとコラボして大型の機材、テクノロジーをバックアップしてもらっている作品も見受けられます。

  

他にもグラフィック作品やチーム制作による「こと作り」の作品もあり、アイディア、仕上げのクオリティともに日本の卒業制作と肩を並べるものです。
日本からの招待作品は、データ送付の形をとっている都合上でグラフィックやイラストの作品が多くなっていました。

  

セミナー、講演も数多く開催されていますが、その会場は学生を中心に多くの参加者でにぎわっています。筆者も昨年、今年と講演を行いましたが、学生の反応が日本より良いように感じました。
日本にももちろん熱心で貪欲な学生はいますが、ここ数年、平均的に学生の熱量が下がっているように感じています。それに比べると、台湾はここ10年で国自体のデザイン力が急激に伸びていることもあり、デザインで何かをしてやろうと言う意識が強い印象でした。

台湾のデザインの現状を少しでも感じ取ってもらえれば幸いです。
また機会があれば学生以外のデザインなども紹介したいと思います。

http://www.y-create.co.jp/forcreator/taiwan_visiongetwild/